多汗症の治療方法

多汗症の療法は手術は最終選択

多汗症には、二つのタイプがあります。。
すなわち、理由もなく一日中だらだらとわきの下から汗が出つづける「持続的な多汗症」と、精神的な緊張によって一時的にわきの下に汗をかく「緊張性の多汗症」です。
いずれの腋窩多汗症も、根本から解決するには、ワキガと同じように、適切な手術が必要となります。
しかし、重症の腋窩多汗症は別として、それ以外のケースについては、手術にともなうさまざまなリスクを考えると、手術はあくまで最終選択とし、まずは別の療法も検討したいところです。
では、腋窩多汗症の代表的な治療法をいくつか紹介します。

緊張による多汗は精神安定剤の服用やカウンセリングに相談

精神的な緊張による腋窩多汗症は、緊張状態におかれたときに一時的に生じるのが特徴です。
ですから、あらかじめ「緊張する」日にちや時間を予測できる場合は、精神安定剤を上手に利用するのも一つの方法です。
例えば、結婚式のスピーチを頼まれたとします。
このとき、緊張してわきの下に多量の汗をかけば、周囲の目が気になるのはもとより、せっかくの礼服が台無しになってしまうこともあります。
そう思えば思うほど、緊張性の腋窩多汗症の方は、わきの下に汗をかいてしまうわけですが、幸いなことに結婚式の日にちと時間は前もって知ることができます。
その日時にあわせて精神安定剤を服用すれば、緊張感がやわらいで、わきの下の汗が抑えられるとともに、スピーチを円滑にこなすうえでも役立ちます。
ちなみに、精神安定剤は、市販のものを勝手に利用するのではなく、心療内科や神経科・精神科を受診し、専門医に相談して自分に合ったものを処方してもらうことが最良です。
精神安定剤の効果は一時的なものですが、専門医の指導で上手に服用しながら、いくつかの難局を乗り越えると、やがて自分に自信がついて、薬なしでも「緊張」をコントロールできるようになります。
ただし、精神安定剤は薬物ですから、服用法を誤ると副作用の問題がでできます。
過剰に摂取したり、依存症におちいらないためにも、自分勝手に服用するのは絶対に避けてください。
心療内科などを受診しますと、薬物療法以外にも、緊張をとくためのさまざまな療法が用意されています。
カウンセリングや自律訓練法などがそうです。
そうした療法も、緊張性の腋窩多汗症の改善に役立つと思われますので、ぜひ一度、相談してみるといいでしょう。

半年間効果が持続するボトックス注射

ボトックス注射は、エクリン汗腺に付随している神経をブロックし、脳からの指令がエクリン汗腺に伝わらないようにする効果があります。
ですから、ボトックス注射をおこなうと、いくら緊張してもわきの下に余分な汗をかかなくなります。
一回の注射で、半年くらい効果が持続します。
結婚式を控えて、ウェディングドレスや高価な着物に汗ジミができるのが気になるような方などにはおすすめかもしれません。
このボトックス注射を定期的におこないながら、何の問題もなく幸せな生活を送っている腋窩多汗症の方は結構いらっしゃいます。
緊張しても汗をかかない状態に慣れてくると、ボトックス注射をおこなわなくても、わきの下の汗をコントロールできるようになるケースも少なくありません。

汗がでる場所によって、最適な手術方法は異なります

最初にのべたように、腋窩多汗症を確実に治すには手術療法が必要となります。
手術療法の種類はワキガとまったく同じです。
手術法を選択するときは、腋窩多汗症の元凶である「エクリン汗腺」をしっかり除去できる方法かどうかが最重要ポイントとなります。
エクリン汗腺は、多汗症の元凶であり、皮下組織から真皮下層にあるアポクリン汗腺より、さらに皮同表面に近い真皮に存在します。
これをとり除くには、皮膚の下1ミリメートルのうすさまでとり除く必要があります。
そうしたことができるのは、ごく一部の手術法に限られます。
具体的には「剪除法」と、「皮下組織削除法」の二つです。
腋窩多汗症に悩んでいる方は、これらの手術法をじっくりと調べて、自分の目的に最も合致するほうを選んでいただきたいと思います。
なお、多汗症の治療法の一つに、交感神経切断術という手術法があります。
これは多汗症といっても、緊張したときなどに「手のひら」に汗をたくさんかくようなケースに施される治療法で、「わきの下」の汗が問題となる腋窩多汗症にはあまり効果は望めません。
手のひらの汗と、わきの下の汗は、異なる交感神経が働いているからです。
逆にいえば、剪除法および皮下組織削除法が有効なのは、わきの下の汗が問題となる腋窩多汗症であって、手のひらなどの多汗に対しては効果がありません。
手のひらの多汗に悩んでいる方は、麻酔科・ペイン科や胸部外科などへ相談するとよいでしょう。