ワキガと多汗症の治療

ワキガと多汗症の治療方法はたくさんある!だから慎重に!

ワキガおよび腋窩多汗症は、適切な治療をすれば治るものですが、問題は「適切な治療」というのが、具体的にどのようなものを指すのか、という点です。

 

いま日本でおこなわれているワキガおよび腋窩多汗症の治療法は、おそらくみなさんが想像されている以上にたくさんあります。

 

ここでこれから紹介する主な治療法だけでも、ワキガが七種類、腋窩多汗症も三種類にのぼります。
インターネットなどで検索すれば、さらに別の方法が見つかるでしょう。

 

治療法がたくさんあるというのは、一見、心強い気がします。しかし、そこが情報化社会の落とし穴。
実際に自分が治療する段になると、種類がたくさんありすぎて、いったいどれを選べばよいのか迷ってしまうに違いありません。
そのあげく、ワキガ臭や多汗を「治したい」という気持ちが先走って失敗する例が目立ちます。

 

例えば、広告でたまたま目にした医療施設へ行き、初診の日にこれといった説明も受けないまま安易に手術を受けて、のちのちトラブルが起きてしまうケースが非常に多いのです。
初めて訪れた日に手術をするというのは、言語道断です。
もちろん、前もって電話などで相談している場合は別です。

 

クリニックでも、遠方から来られる患者さんには、まず手紙やメールで連絡をいただき、その後、電話で治療法について説明し、決心がついたら実際に来院してカウンセリングを受けていただき、詳しい説明をしてから治療する形が一般的となっています。
決して、初めて相談に訪れた患者さんに対し、その日に手術をすすめるような無謀なことはしません。

 

治療法の選択を誤ると大変です。からだとこころに大きな傷が残るうえ、肝心のワキガ臭や多汗がすぐに再発したり、ひどい場合は手術をしたのにまったくワキガ臭がとれていないこともあります。

 

こうしたトラブルは、治療する施設側に問題があるのは当然です。しかし、不幸なことに世の中には問題のある医療施設が少なくないのが実状です。
ですから、患者さんの側には、その事実を踏まえたうえで、慎重に治療法および医療施設を選択することが求められます。

正しい知識を身につけよう

ワキガや腋窩多汗症を治療したいと思ったら、まずはそれらに関する情報を集めて基本的な知識を身につけることが望まれます。

 

医療施設を探したり、訪ねて相談するのはそのあとです。
なぜなら、せっかく医師の説明を受けても、患者さんの側にある程度の知識がないと、十分に理解できないからです。

 

逆に、少しでも知識があれば、医師の説明が矛盾していないかどうか判断することができます。
最低でも、皮膚の構造だけはしっかり頭のなかに入れておきたいものです。

 

皮膚のどの部分にワキガ臭の元凶である「アポクリン汗線」と「皮脂腺」が存在し、どのあたりに版餓多汗症の引き金となる「エクリン汗腺」が分布しているか、それを知っているだけでも、治療法のよしあしを判断する大きな手がかりになります。
ある程度知識が身についたら、今度は治療する目的を自分のなかで再確認しましょう。

 

すなわち、自分は「ワキガ臭を治したい」のか、「わきの下の多汗を治したい」のか、あるいは「両方」なのか。

 

また、ワキガや腋窩多汗症を治すにしても、「手術をしてまで根治したい」のか、ワキガのニオイやわきの下の多汗は若干残ったとしても「手術は避けたいのか」、とにかくできるだけ具体的に自分の考えをまとめてから、医療施設へ相談するようにします。
ワキガや腋窩多汗症の治療法はどれも、それぞれメリットとデメリットをあわせもっています。

 

ですから、例えば医師の側が一方的に、
「この方法はダメです」
「この方法がいいです」
と簡単に決めることはできません。

 

あくまで、患者さんひとりひとりが、自分の目的に合った治療法を選択することが、のちのちのトラブルを防ぐうえでとても大切であり、悩みを解決するための一番の近道となります。

ワキガ・多汗症の治療で病院へ行くなら皮膚科・形成外科へ

医療施設は、皮膚科または形成外科がよいでしょう。

 

わからないことや不安な点があれば、遠慮せずに医師や病院スタッフにとことん質問します。

 

治療のしかたをはじめ、なぜその治療で効果があるのか、そして手術を受けたあと、どのような回復の経緯をたどるのか、また合併症としてどのようなことが起こり得るのかといったことまで知っておく必要があります。

 

このとき、あらかじめ勉強していた知識が役立ちます。皮膚の構造の図を頭に思い浮かべて、ワキガに悩んでいる方なら、アポクリン汗腺と皮脂腺の働きをどこまで抑えられるのか、手術する場合は皮膚のどの部分までとり除けるのかを確認します。

 

一方、腋窩多汗症に悩んでいる方なら、エクリン汗腺の処理のしかたについて詳しく聞いてみましょう。
いずれにしても、自分が十分に納得するまで治療を受けるのはやめましょう。

 

もしも、医師が説明するのをめんどうくさがったり、即日の治療をしつこくすすめるようなら、いったん帰宅してじっくり考えたほうが賢明です。できれば、そこは避けたほうが無難でしょう。

 

治療は医師の技量に左右されます

ワキガおよび腋窩多汗症が完治するかどうかは、治療法だけでなく、その治療をおこなう医師の裁量にもかかっています。

 

どんなにすぐれた治療法でも、医師の技量や人間性に問題があれば、当然ながら、うまくいくものもうまくいかなくなってしまいます。
医師のよしあしを見分けることは、治療法のよしあしを見分けることより、さらに困難なことです。

 

しかし、患者さんの側が、前もってワキガおよび腋窩多汗症についてしっかり勉強しておくと、アヤシイ医師のはなしは矛盾していることに気づくでしょう。

 

このとき、重要なキーワードとなるのが、わき毛です。

 

例えば、ワキガおよび腋窩多汗症の手術をするにあたって、「別料金をいただければ、わき毛の処理も一緒にできますよ」とか、「手術をしても、わき毛は全部そのまま残せますよ」と一言う医師がいたら、これは確実におかしいです。

 

ワキガのニオイやわきの下の多汗を確実にとり去るには、アポクリン汗腺や皮脂腺、エクリン汗腺が存在する皮下組織(皮下脂肪・真皮)を手術できれいに除去する必要がありますが、この組織にはわき毛を生み出す毛包も一緒に存在します。

 

つまり、アポクリン汗腺と皮脂腺、エクリン線をとり除くことは、結果的にわき毛を除去することにつながるのです。
毛包だけ残して、汗腺や皮脂腺だけをとり去ることは不可能なのです。

 

ですから、確実な治療をおこなった場合には、ワキガや腋窩多汗症の手術とは「別に」わき毛を処理するとか、手術後もわき毛が「全部残る」ということは、絶対にあり得ません。

 

逆にいえば、手術後にわき毛がもじゃもじゃ残っているようなら、ワキガや腋窩多汗症の完治は望めません。
近い将来、再発する可能性が高いわけです。

 

ちなみに、病院によっては患者さんの希望があれば、わき毛を少し残す形で手術することがあります。
ただし、わき毛を残す量が多ければ多いほど、ワキガ臭や多汗の症状も残ってしまいます。
それを説明したうえでもなお、男性の患者さんのなかには、「わき毛を残して欲しい」という方がいらっしゃるのです。

 

ワキガのニオイやわきの下の多汗を確実にとり去るには、アポクリン汗腺や皮脂腺、エクリン汗腺が存在する皮下組織(皮下脂肪・真皮)を手術できれいに除去する必要がありますが、この組織にはわき毛を生み出す毛包も一緒に存在します。

 

つまり、アポクリン汗腺と皮脂腺、エクリン線をとり除くことは、結果的にわき毛を除去することにつながるのです。毛包だけ残して、汗腺や皮脂腺だけをとり去ることは不可能なのです。

 

ですから、確実な治療をおこなった場合には、ワキガや腋窩多汗症の手術とは「別に」わき毛を処理するとか、手術後もわき毛が「全部残る」ということは、絶対にあり得ません。逆にいえば、手術後にわき毛がもじゃもじゃ残っているようなら、ワキガや腋窩多汗症の完治は望めません。近い将来、再発する可能性が高いわけです。

 

ちなみに、私のクリニックでは、患者さんの希望があれば、わき毛を少し残す形で手術することがあります。ただし、わき毛を残す量が多ければ多いほど、ワキガ臭や多汗の症状も残ってしまいます。それを説明したうえでもなお、男性の患者さんのなかには、「わき毛を残して欲しい」という方がいらっしゃるのです。

 

わき毛は、男らしきを誇示するシンボルの一つ。

 

ワキガのニオイや多汗を残してでもわき毛を残すか、ワキガのニオイや多汗を確実に治療するためにわき毛を完全に失うかは、多くの男性にとって究極の選択といえます。
そうした患者さんのこころの迷いを利用して、前記のようなおかしな提言をする医師がいるのでくれぐれも気をつけたいものです。